木版師紹介
木版師紹介
木版師
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木版師
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昭和11年、京都に生まれる。木版匠・内藤三郎に師事。独立後、奥村土牛、加山又造、清水公照をはじめ、文化勲章受賞作家の木版画化を数多く手がける。特に竹久夢二の復刻をライフワークとして100点を超える作品を残す。名実ともに夢二版画の第一人者である。また、木版匠の中では珍しく彫り、摺り共にできる伝統芸術家は他に類を見ない。文化庁指定の伝統技術保持者でもある。
平成12年没。
見事に再現された夢二版画
近代絵画の異才、夢二の人気はたいしたもので、昭和9年の死の後、しばらくして戦争期に入って抑えつけられたものの、昭和後期に入ると、再び盛り上がって永続している。明治・大正の画壇の大家たちが、今や見る影もなくなったというのに、一人の野に生きた画家の生命が一向に絶える兆しを見せないというのは珍しい。人々の心に訴えるその絵画の魅力を見事に再現したのが、松永安生さんの、後半生のすべてを打ち込んで制作した、これら一連の木版画である。それは画像の再現であると同時に、この人の技能の限りをつくし、その上に敬愛の念を注ぎいれた力作であり通常の復刻木版画とは、およそ性質を異にしている。
美術評論家 瀬木 慎一(総合美術研究所所長)
夢二の魂を感じる木版画
竹久夢二の復刻版画は今迄にもいろんな所から出されていますが、松永安生さんの復刻版画には、夢二の言う「内的生活の感覚と言って好い情緒」が表現されているように思います。特に夢二の特色である線描の表現に夢二の魂を感じます。
夢二鑑定家 竹久 みなみ(夢二の孫)
松永氏が亡くなられた後、「港屋」が夢二の復刻木版画の製作が途切れないように、
各地の彫師、摺師の協力のもと、製作し続けている木版画。
主な彫師、摺師は「朝香 元晴」「菱村 敏」の二人である。
二人は独立後ともに「匠木版画工房」を興し、多数の復刻を行っている。
木版画・彫師
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木版画・彫師
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- 主な経歴
- - 文部大臣認定
浮世絵木版画彫摺技術保存協会事務局長 - - 東京木版画工芸組合役員
- - 東京伝統木版画工芸協同組合理事
- - 江戸木版画・日本伝統工芸士会会長
- 1951年(昭和26)
- 静岡県土肥町で生まれる
- 1967年(昭和42)
- 高校在学中より、浮世絵出版社(浮世絵研究家)高見澤忠雄に師事
- 1968年(昭和43)
- 彫師・菊田幸次郎の弟子となり、京都にて本格的な修行生活に入る
- 1985年(昭和60)
- 17年間の修行後、浮世絵出版社・高見澤研究所の専属彫師となる
- 1999年(平成11)
- 独立、摺師・菱村 敏とともに「匠木版画工房」を興す
- 2010年(平成22)
- 東急百貨店・日本橋小津和紙ギャラリーにて個展
- 2011年(平成23)
- 後継者育成のため、伝統木版画教室を兼ね備えた工房を新宿区富久町に設立
- 2012年(平成24)
- ヘルシンキ、Solveigギャラリーにて個展。海外へ浮世絵普及活動を開始
以後毎年、フィンランド、イギリス、オランダ、フランス、イタリア、カナダ、アメリカ等で浮世絵木版画の個展、実演、ワークショップ等を開催
木版画・摺師
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木版画・摺師
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- 主な経歴
- - 文部大臣認定
浮世絵木版画彫摺技術保存協会会員 - - 東京木版画工芸組合会員
- - 東京伝統木版画工芸協同組合会員
- 1952年(昭和27)
- 長崎で生まれる
- 1967年(昭和42)
- 摺師・佐藤勘次郎に師事
- 1991年(平成3)
- 24年間の修行後、高見澤木版画研究所の専属摺師となる
- 1999年(平成11)
- 独立、彫師・朝香元晴とともに「匠木版画工房」を興し現在に至る
二人の主な作品
- 国宝:
- 雪舟等楊「秋冬山水図」、長谷川等伯「松林図」、円山応挙、酒井抱一 等
- 浮世絵:
- 歌川広重「名所江戸百景」・「東海道五十三次」
葛飾北斎「富嶽三十六景」・「花鳥図」、鈴木春信、喜多川歌麿、東洲斎写楽 等 - 日本画:
- 横山大観、小倉遊亀、伊東深水、竹久夢二、川瀬巴水、東山魁夷、奥村土牛、速水御舟、菱田春草、舟越桂 他多数復刻